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小物特集 シロギス〈船〉

  • Last Modified: 2008年8月 6日 15:57

船でシロギス


080806n17.JPG   パールピンクの魚体が次々と空を舞う。小物釣りの魅力は繊細な駆け引きを克服してこそ本当の面白さが分かるもので、ただむやみやたらに竿数を並べ、数釣ればいいってもんじゃない。今回は深川の老舗船宿「冨士見」のマーちゃんこと斉藤正雄船長にスポットを当て、小物釣りを得意とする同船長のポリシーなどを探ってみた。【まとめ=加藤義司 取材協力=深川冨士見】

今期のシロギス


080806n60.JPG  「今年のわきは半端じゃないけど型が少し小さいな。例年、大型のそろう盤洲の浅場は食いもいまひとつだし、富津、長浦などは数出るけどサイズ的に物足りないね」と斉藤船長。
 9月ごろまではあのシャープな引きが楽しめるので、ビギナー入門には絶好のチャンス。特にベテランも一目置く斉藤船長は、シロギスを釣らせたら東京湾では右に出る船長はいない。
 それだけにこだわりも人一倍で「シロギスは1本竿で駆け引きを楽しむもの。ハリスの長さも40センチあれば十分で、もちろんハリは1本。うちの船では2本竿を使う人はほとんどいないよ。シロギスは1本竿の誘いだよ、誘い。常に攻撃的に誘いをかけてやることが大切」と話す。

タックル&仕掛け


080806n19.jpg とにかく投入回数が釣果に結び付く浅場の釣りでは、1.5―1.7メートルクラスの短めの竿が扱いやすい。特にアンダースローを要求される船上では、竿の長さも扱いやすさが重視される。リールはPE0.8―1号が100メートル巻ける小型スピニングリールが最適。ビギナーでもトラブルの少ないリールなので安心だ。道糸をPE0.8―1号と細くするのは、水切れがよく、アタリを取りやすくするため。
 道糸の先端へ装着する片テンビンは腕長15―20センチが適している。片テンビンの役目は、まず仕掛けの糸絡み防止が最大の目的。また、オモリと仕掛けのバランスを保ち、魚の小さなアタリをより敏感にとらえる役目もする。オモリの号数は10―15号を、水深や潮の緩急によってセレクトする。仕掛けは通常2本バリの全長90センチが標準。幹糸・ハリス共に0.8―1号。ハリは流線キス7号を使用。
 仕掛けにもこだわりを見せる斉藤船長は次のように話す。
「シロギスはハリスの太さなんて関係ないよ。いかにエサを動かしてやるかが大切だね。だから、動きにメリハリをつけるよう短ハリス(40―50センチ)にしている。ハリスの太さは1.5号、ハリも袖7号1本バリで1尾ずつ、キスと対話しながら釣るのが小物釣りの楽しさなんだよ。竿を3本も並べて何尾釣ったなんて自慢するのは愚の骨頂だよ。漁師じゃないんだから」

誘い方


080806n15.JPG    無事、投入することができたら仕掛けの着底を待って、そこから誘いをかけるのだが、基本的にキャストした場合は道糸が前方斜めになっているため、竿先の角度を目の位置に。そこから竿先が45度の位置までくるよう3段階にチョン、チョン、チョンと30―40?幅でメリハリをつけて仕掛けを引くように誘いをかけてやる。アタリは大半がチョンと竿先を動かした直後が多く、すかさず竿先を聞くようにアワせる。
 これは一連の動作として行うが、決して必要以上の大アワセはシロギスを散らすだけなので行わないこと。このチョン、チョンの誘いは活性の高い時ほど効果があるが、その時の釣況によってチョンの次の間を2秒程度置くのもよいだろう。
 食い渋った時は活性がグンと低くなっているか、あるいは底濁りで仕掛けが見づらいということも踏まえて、ゆっくりと引いては止めの繰り返しをしてみる。それでもダメな時は逆療法ではないが、小さくメリハリをつけてチョン、チョンと誘い、間を3秒程度置いてみる。
 仕掛けが船下まで戻ったら、面倒がらずに投入を繰り返すことが釣果アップにつながる。
 エサの青イソメやジャリメは全長3?あれば十分。切り口からハリを刺し、真っすぐ通し刺しにすること。

実釣


080806n18.JPG    7月上旬の取材当日は朝から肩をバタバタと叩くような強い雨が降り続く中、深川冨士見には私たちを含む6人の釣り人が集まった。天候が不安だったが、斉藤船長の「雨は午前中に上がるよ。風もないし大丈夫、大丈夫」という頼もしい言葉で出船。
 定刻の午前7時30分、もやいは解かれ、船は深川運河をスローで約10分も走ると海へ出た。目指すは現在好調な盤洲沖。しばらくのクルージングで、到着したのは8時15分。早速合図が出て、ワクワクの第1投。投入されたオモリは9.5メートルで着底した。当然だが、狙っているポイントの水深が何メートルなのかを把握することは大切だぞ。
 セオリー通りに冨士見流のチョンチョン誘いを繰り返していると、ブルルンと明確なアタリ。軽く竿先を聞きアワせてやるとガッチリとハリ掛かり。当日の初ヒットは17センチ級の天ぷらサイズだった。この天ぷらがまた美味いんだよなー。
 と、ホクホク顔の私を尻目に、左舷胴の間で竿を出す斉藤船長。するとどうだ、もうこれでもかというぐらいのハイペースで入れ食いを堪能している。右大ドモのパートナーは開始直後こそ出遅れたかに見えたが、すぐに連釣し始めて小気味よい引きを楽しんでいる。サイズは15センチ前後が多く、20センチを超えるサイズは顔を出してくれない。それでも終始アタリがあるので、手元に伝わるブルブル感が楽しい。
 斉藤船長は独特なポーズで少し早めのチョンチョン誘いを繰り返している。状況に応じてチョンチョン誘いのスピードを変えるところがさすがで、ほとんど空振りなしで掛け続けている。また、当日は交じりのメゴチが少なく、これも釣果アップにつながった。私も久々の入れ食いを堪能できた。
 風がないので船はブン流しのまま。これなら次々と新しいポイントへ入ることができるので、よほど流されない限り入れ食いは続く。アクアラインの橋げた下まで来ると、船を最初のポイントへ戻し、広範囲に流す。盤洲―木更津―長浦と流し、終わってみると私が72尾、パートナーは80尾と平均して好釣果に恵まれた。
080806n16.JPG 操船やお客の面倒を見ながらの竿出しにもかかわらず、斉藤船長も80尾近くとさすがの一言。「集中してやれば、今日の食いなら130―140尾は釣る自信があるよ」と話す。これには脱帽である。

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